時間がかかってしまったが、神戸戦のフィンケ監督のコメントとWEB版の各スポーツ紙のレッズの記事を読んで比較し、私見を纏めてみた。
最初に、フィンケ監督のコメント(公式サイトより前文掲載)
監督
「まず、今日はとても密度の高い試合を見ることができたと思います。しかし、あのような形での失点というのはプロのサッカーでは起きてはいけないことだと思いますし、そのことについて私たちは、もちろん分析をしなくてはいけません。そして、今年の大きなテーマというのはチームを改革していく、さまざまな面で変えていくということでした。ですので、今日は、今このチームにどのような、特に大きな問題点があるのかということについて、さまざまな情報を得ることができたと思っています。
私 たちが今やろうとしているゲームスタイルということを、大きく変える必要はないと思います。しかし、試合が始まってからわずか20秒ほどであのような形で ビハインドになってしまう、そしてその後も比較的早い時間で0-2の失点をしてしまったわけですけれども、もちろんあのような形での失点というのはこのプ ロのサッカーでは起きてはならないことです。ですので、今後も私たちはこのチームの改革ということを続けていきますし、その改革の際にできる限り正しい決 断を下していきたいと思っています」
私見
「フィンケ監督は収穫として密度の試合をしたことと、チームの大きな問題に関する情報が得ることが出来たことをあげている一方で、開始早々のからの2失点を反省点としてあげ、今後もチーム改革を継続することを述べており妥当な発言である。」
質問
(セルヒオ・エスクデロのアクシデントというのはゲームプランにどんな影響を?)
監督
「実際に私は彼を交代させなくてはいけかったのを非常に残念だと思っています。相手にとってみれば、嫌がるプレーをしていたと思いますし、非常に危険なシーンを作り 出すことができていたのではなかったでしょうか。実際に彼は得点も決めているわけですし、それ以外にも2回、3回ととても危険な状況を彼が作り出していま し たので、彼を途中で交代しなくてはいけなかったのは私たちにしてみれば痛かったです。
しかし、その後入ってきた梅崎も、いくつかのとても優れたシーンがあったと思いますし、実際に彼が入ってきたことによって、チームへの新しい刺激というのもあったのではないでしょうか。しかし、正直なところ私はそのままセルヒオを使いたかったです。そして彼のケガの状況ですけれども、今細かいことをここで言うことはできません。今現在は個所をアイシングしている状況ですので、詳細な情報は明日になります」
私見
「セルヒが交代したのは残念だけど、梅崎が徐々に試合になれて出場するのも攻撃オプションを増やす上で大切だろう。セルヒの怪我が大事でないことを祈る。」
質問
(久々に流れの中から得点が生まれたが、高原はずっとそのようなアクセントとなったり、プレーでもよかった。そのあたりは、チームが取り組んできていることが少しずつ改善されてきているという手応えはどうか?)
監督
「まず高原のパフォーマンスは私に大きな喜びを与えてくれるものでした。そして長い時間帯にわたって私たちも、ゲームを主体的に進めることができていたと思いますので、本当ならば私たちがゲームを終わった時点で勝者であってもおかしくなかったと思っています。しかし、あのような形で合計3失点もしてしまいますと、いくらいいプレーをしたとしましても、勝者としてゲームを終えることはできません。特にあの3失点目 というのはコーナーキックから、非常にきわどい形ではあったんですけれど、失点というのもありましたし、それ以上の、他の失点に関しましては今、ここでそ れ以上お話 ししたくはありません。正しいのは、私が高原のパフォーマンスに関しては、とても満足していたということ。そしてそれ以外にも、セルヒオや原口元気など、彼らもいいプレーをしていたということです。そして、これは私が確信していることですけれど、もうすぐエジミウソンはまたゴールを決めることができるでしょう(笑)」
私見
「高原やセルヒ、原口やエジが前線で頑張ったのでしょう。でも、追いつけなかった。攻撃の課題も山積みだろう。コンビネーションが戻って欲しいね。フィンケ監督の予言どおり、山形戦でエジがゴールを決めてくれればね。」
次に、各スポーツ紙の言説
各紙の見出し、内容に共通して「7連敗」、ワーストタイ記録、9位転落などが躍った。
①デイリースポーツonline
連敗記録と順位を指摘し、簡単な試合経過をまとめた。そして、「ピッチ内外で、チームは空中分解の様相を呈している」と延べ、「ある選手から「もうパスサッカーになっていない」との声があがるなど、指揮官が掲げる「コンビネーションサッカー」は機能していない。求心力が低下している指揮官を支持する選手と、反発する選手が混在し、「もうバラバラ」と嘆く選手もいるのが現状だ」そうだ。
最後に、フィンケ監督の去就について触れ、フロントの責任や監督と信藤TDの責任問題が不可避であると指摘している。
私見
「そうか…、チーム状態が悪く、パスサッカー、コンビネーションサッカーになってないのか。監督に不満を持つ選手もいるのか?。レッズを「厳しく批判」している。読んでいて、気分が悪くなった。どうしても誰かに腹を切らせたいのだろう。見世物になるからね。」
②報知新聞
クラブ史上最速16秒の失点の書き出しで、「無策ぶりが凝縮した失点だった」と称している。さらに、「ある主力によれば、この日も指揮官の支持は「特にない。いつも通りって…」」言ったそうな?。さらに、レッズの2点挽回を評価したが、フィンケ監督の勝利への拘りに疑問を呈した。また、ファイサルのベンチ入りに対しては、見方選手も首をかしげていると指摘し、若手起用で現実逃避しているのではと指摘している。
最後に信藤TDのコメントと先の広島戦後にサポーターのリーダー格に説明をしたことなどが述べられて、「臨界点は遠くない。どこまでも続く転落劇。終幕の気配はいっこうに見えない」と結んだ。
私見
「いゃー、相変わらず報知の論調は厳しいなぁー。「無策ぶりが凝縮した失点だった」とまで書いて、個人的な感情がコモッテイルネー。読んでいて、気分が悪くなった。凄いなぁー。」
③スポニチ
試合後のフィンケ監督の「密度の高い試合だった」というコメントを「苦しい弁解も聞き慣れた言葉だ」と評した。
そして、最短失点から試合経過の要約をし、ファイサルと宇賀神の新戦力2人をベンチ入りと後半32分の鈴木から堀之内の交代を「効果的とはいえない采配も目立った」と評した。さらに、高原が「こういう状況で選 手が文句を言い出したらチームにならない」と必死に言葉をのみ込んだが、選手たちも爆発寸前だ」と述べているという。
最後は報知と同様に、信藤TDのコメントと広島戦後のサポーター中心人物から批判を受けたことが述べられ、「フィンケ監督は来季以降を見据えて強化を進めていることを強調しているが、現状を打破できなければ、来季も指揮を執る可能性は低い。長くて深いトンネルの出口は一向に見えてこない」と結んだ。
私見
「最後の部分は、何となく報知と情報ソースが類似するようだけど気のせいだろうか?比較的落ち着いているし、レッズ「匿名選手のコメント」を載せないなど冷静な論調だと思う。」
④サンスポ
試合経過と連敗記録について述べ、 フィンケ監督の「「ゲームスタイルを大きく変える必要はない。 選手を褒めてあげたい」と攻撃面について及第点を与えた」とまとめた。そして、試合講評となり、守備でのプレスの甘さが失点を与えたことを指摘し、フィンケ監督の「起きてはならない失点だ。あれは自殺点」とのコメントを引用し、阿部の「狙いどころが定まっていない。中途半端」とのコメントも載せ守備力の問題と指摘し、「1点差の敗戦という結果以上の惨敗」と評し、最後は「試合後はサポーターから厳しい声が飛び交った」と結んだ。
私見
「サンスポも試合経過の講評を中心に、フィンケ監督やチームやフロント、選手個人へのネガティヴなコメントや批判は載せていない。結構詳しく、冷静に問題点を指摘している。見事。」
⑤日刊スポーツ
まず、出だしが軽快、「勝てなかった。また勝てなかった。「Jのお荷物」とやゆされたころの95年以来14年ぶりとなる屈辱のリーグ7連敗。試合後、ゴール裏から起こった拍手が痛々しかった」って、見事なまとめかた。 そして、ゲーム開始直後の失点、フィンケ監督の「プロとしてはあってはいけない」と表現を引用し、平川のコメントを交えて守備力の問題点を指摘した。
さらに、6連敗までのチームの戦術の傾向を指摘し、パスサッカーが機能していないことを指摘して、高原の「足元でボールを持ちたがる選手が多いが、それじゃ点は取れない。裏を取るなりしないといけない」と嘆き?を引用した。
最後に、フィンケ監督の「ゲームスタイルを大きく変える必要はない。選手を褒めてあげたい」とのコメントを載せたが「とにかく結果が出ない」と指摘した。さらに、信藤TDの「「スタイルはどんなに結果が出なくても変えない。(結果を出すために)できる方法もあるけど」と、目先の結果にこだわらず、フィンケ監督とともに「パスサッカー」を貫き通す決意を示したが、多くのサポーターの支持を受ける「ビッグチーム」(神戸三浦監督)だけに、勝たなければ説得力には乏しい。13日の山形戦までは約2週間。故障者が続出している中、果たして立て直すことはできるだろうか。」と纏めた。
私見
「余計な個人攻撃や批判を交えず非常に上手な記事だと思った。スポニチ、サンスポと同様に冷静な取材記事ではないかと思う。」
最後に
フィンケ監督の試合後の言霊と30日付の各スポーツ紙のWEB版記事を元にその記述内容を比較した。フィンケ監督だけではなく、14年ぶりの7連敗で精神的に皆キツイと思う。
判っていても人間駄目なときは駄目なんだよなぁ。オフェンス力の機能が前より良くなったけど、ディフェンス力が瓦解している点は早急に復旧しないと、深い穴底から抜け出せないだろう。正直言って、ゴッツイ外人1人欲しいなぁ。アルパイやネネ見たいなねぇー。何故、補強しなかったのかな?
悔しいけど仕方ない。しばらく我慢して、勝利を祈ろう。
また、面白いことに、各紙によってレッズと特にフィンケ監督に対する記述が異なる。これから暫く比較する予定なのでここでは述べないが、明らかにフィンケ監督をネガティヴに記述するメディアがある可能性がある一方で、客観的に見事な記事を掲載するメディアがあることが判った。また、匿名で選手のコメントを載せているが、それすら本当の選手からのコメントか疑わねばと思う。どうも信用できないような、あるいは気分が悪くなるようなネガティヴな記述が好きなメディアがあるようだ(笑)。今後はこうした傾向を理解した上で、メディアの記述内容を精査し自己責任で理解し、引用しようと思う。
最後に、フィンケ監督のコメントで見事なのは、負けても決して選手を個人的に批判したり、ネガティヴな表現に固執しない点であろう。この点は、フィンケ監督の思想にドイツ哲学、教育学の背景があると思われる。何となくルドルフ・シュタイナーの思想が頭を過ぎるのだが。
これから2週間が、レッズ復活の有効な時間であることを祈りたい。
こんな時でも、
Vandenberg 「Nothing to lose」
Night Ranger 「Don't start thinking」
White Snake 「’Til the end of time 」
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